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耳元で自分の荒い息遣いが聞こえる。背負っている荷物も重くて自分が地面にめり込んでしまいそうだ。
大体自分の背中よりも大きく、自分の体重の半分ほども重さがあるザックなのだ。針よりも重いものを持ったことがないようなか弱~い、私にはむりだってば。なーんて…言ってられないけど。
ガラッと足元から音がした。
やばっ…まずい!
私は慌てて息を吸って思いっきり叫んだ。
「らーーーくっ!!」
「また、お前か、渡邉!何度やったら懲りるんだ!」
隊長にはそう怒鳴られる。
だけど、重いのだ。辛いのだ。苦しいのだ。何故花の高校生である私がこんなことしなきゃいけないんだ。まるで拷問じゃないか。
心の中のため息が聞こえたかのように怒鳴り声は続く。
「いいか!山での落石は死にも繋がるんだぞ!」
知ってるってば。何回それを聞けばいいんだ。
あーあ、入る部活間違えたなぁ。
騙された…
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