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水が少しずつ垂れている音がする。
この洞窟には明かりがなく、最初は何も見えなかった。
自分の上に[人間]と書かれたタグが浮いていた。
まるで、立体的なゲームのように。
ここは何処だろう。もう3日ぐらいここに居るのだ。
でも焦っちゃだめだ。ここには幸い水がある。
食べ物が無くても、あと4日は持つだろう。
つまり、タイムリミットは、あと96時間。
それを越えたら、まるで獣のように狂暴な性格になり、
あまりの空腹感に、自分の体まで食ってしまうらしい。
よし、さっき寝たから体力も回復した。
朝と夜がわからないこの空間で、俺は疲れたら寝るようにしている。
まずは、情報整理だ。
俺の1日は、そんな感じで始まった。
[1日目]
あの時、多分落ちたのだろう。
裏切り者によって。
気づいた時には何故か痛みがなくて、
この場所に倒れていた。
何も見えないくらい暗かったが、
何とか手回し発電機を見つけ出し、
少し探索すると、水が流れる広い空間の発見に成功した。
[2日目]
時計が壊れていたから、何時間寝たかはわからないが、起きた時点で翌日ということにする。
その他にも時間を知れる道具があったような気がするが、まぁいい。
落ちる前に使っていたペットボトルを取り出し、
水を入れた。4個持ってきていたので、全部で3㍑になった。
この数値は、ちょうど1日に必要な水分量だ。
これで、さらに探索できる!.....と思っていた。
怪奇現象が起きたのだ。
拠点の入り口が塞がっていたのだ。いや、無かったことになっていたと言うのが正解だ。
見違えでもない..何で。
心がだんだん叫び出す。神経がざわついた。
この時、マシンガンのように速く心臓が動いていた。
とにかく深呼吸して落ち着かせる。それしか、出来なかった。
俺はライトを頼りに、別の道を探した。
拠点は広かったから、まだ全て知り尽くして無いからだ。
結果それを見つけるだけで、長時間使ってしまった。
一つだけ、奥の方にあったのだ。
閉じ込められた訳ではなくて良かったが、疲れてしまった俺は
そのまま寝てしまった。
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