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二階のヘアサロン『NOBLE』で人気ナンバーワンで、彼に髪を切ってもらった人が彼とのツーショットを待ち受けにしたり、インスタに載せて自慢するほど女性客の指示がすごいって聞いている。
でもあの茶髪のふわふわしたパーマとか、自分に自信がある余裕のある雰囲気とか、シャツのボタンが開きすぎとか、ジーンスの色が落ちすぎて、服装も落ち着きないしふわふわ綿あめみたいにチャラそうなのが死んでも無理だ。
私のことを『ちゃん』付けで馴れ馴れしいのも本当に無理だった。
「すみません。大丈夫ですので、入ってこないでください」
「あー。白鳥さんいないの? でも店長もいるから平気でしょ?」
店長は大丈夫でも貴方が無理なんです、と言いたくて口をパクパクさせるがうまく言葉が出てこない。
心臓がぎゅっと閉まって息をするのが苦しくなった。
「てか、誰? 客?」
辻さんは私が制止するのも聞かずにカウンターに入ってきたので、急いで店長の後ろへ隠れた。
「業者の方です。私、帰宅準備するので閉店作業お願いします」
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