おまえもホワイトデーにしてやろうか?

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「ゆ、夢で神さまのお告げがあったんです。ホワイトデーのお返しを求める者があったら、それを渡すようにって……それで、起きたら枕元にそのチケットが……」  チケットを手に眉根を寄せる黒ギャル達へ、男子生徒は震える声でおそるおそるそう説明する。 「はあ!? なにわけわかんねーこと言ってんだよ。ってか、てめーバカか? どうしてあたし達が美白エステなんか行くと思う? 日サロ行って焼いてるってのに美白なんかするわけねぇ…」  なにやらデンパの入った彼の説明に、リーダーの黒ギャルは呆れるとともに怒りを覚え、自分達にはまったく無用のそのチケットを頭上に振り上げて怒鳴るのだったが……。 「……ん?」  その時、ボン! という軽い音を響かせ、まるで手品か何かのように白い煙を上げながら、彼女の手にしたチケットが消え失せたのだった。 「……え!? ちょ、ちょっと、どうしたのさ、その肌!?」  すると、奇跡が起こった……彼女の姿を見て、他の黒ギャルが目をまん丸くして驚きの声を発する。 「え? 肌? なんのこと?」 「さ、さっきまで黒かったよね? なのに、なんでそんな白く……」  訝しげに訊き返すリーダーに、もう一人の黒ギャルも唖然とした様子で彼女の問いに答える。 「え、白……ええっ!? う、ウソやだ、なにこれ……ゲえっ! マジでえっ!?」  その言葉に自分の手を見るとなぜだか妙に白く、慌ててスマホをポケットから取り出し、インカメラで自身の顔を映してみると、そこには黒ギャルの自分とはまるで違う、真っ白い美肌になった己が眉間に皺を寄せてこちらを見ていた。  なんと、それまで褐色だった彼女の肌は一瞬にして色白に変わっていたのだ。 「な、なんで白くなってんの? い、いったい…わっ!」 「あ! も、もしかして、このチケットのせい…キャっ!」  動揺するリーダーを見つめたまま目をパチクリさせる他二人であるが、彼女達の手にしていたチケットも同様にボン! ボン! と白い煙を上げて消失する。
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