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キューピッドは女子高生!
愛野エリスは学校の制服である紺のブレザーと、深い赤のチェックのプリーツスカートを着用して、姿見の前でチェックする。
「あ、リボンリボン」
シャツにホックで引っかけるタイプの、えんじ色のリボンを装着して完了だ。
「可愛いじゃん。スカートはもうちょっと短くてもいいかな?」
ウエストの部分を折り込んで短くしようとしたが、ベルトの所が太くて折れにくくなっていた。
最近の制服は、スカートが短くできないような作りになっている事を、エリスは知らない。
「ま、いっか。ふんふんふーん」
鼻歌まじりに姿見の前でくるりと回ってみせる。ひらりとめくれるスカートの裾から、何も着けない下半身が露わになり、姿見に映った。
「あ、パンツ履かないと駄目よね」
神界に居た頃のエリスは、下着を着用するという習慣はなかった。意識していないと、ついノーパンで過ごしてしまうのだろう。現界に来てからというもの、まだ履いた事はない。
「パンツパンツ~っと」
六畳一間の部屋には今、『神界引っ越しセンター』の引っ越しダンボール箱と、『神界通販』で買って届いたダンボール箱が所せましと積まれている。
寝るスペースも無いような状態だ。
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