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少女はもう一人の少女にリクエストすると、それに吸い付いた。
「んんんんん……!」
お互いの舌を求め、吸い付き、唾液を交換しながらしばらく堪能したあと、細い糸を引きながら重なっていた唇を離して、二人は見つめあう。お互いの表情は蕩けきっていた。
「大好きだよ……かおり」
「私も……ひかり先輩」
ピンクを基調とした部屋には、ぬいぐるみやアクセサリー等、女の子を主張する物が至る所に置かれている。
壁にかかったブレザーとプリーツスカートは高校の制服だろう。
二人は今、狭いシングルベッドの上で、ひとつに重なるように密着している。
「ひかり先輩、私プリン食べたいな」
「そうね、ちょっと買い出しに行きましょうか、かおり。夜はまだ長いものね」
「じゃあコンビニに行きましょう先輩」
「はいはい」
先輩と呼ばれた少女は、かおりと呼ぶ少女の頬にそっと口づけをすると起き上がった。
外に出れば深夜ではないが、住宅街の闇が広がっている。等間隔に並んだ街灯が朧にその闇を溶かす。
(かおり……あそこの電柱)
(なんです? 先輩)
歩き出して少しした頃、ひかりは小声でかおりに注意を促した。
(あっ)
見れば電柱の陰に隠れるようにして――全裸の少女がこちらを窺っていた。
「きゃっ……」
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