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愛を運ぶもの
「なんかさぁ、夜だったら恥ずかしくないかなーって思ったけどさぁ」
エリスはアパートの自室でダンボール箱を片付けながら、アテナに語りかける。
夜間、電柱の陰に全裸で隠れて、女子高生二人を天使の矢に掛けたのは数日前の事だ。
「普通に恥ずかしかった……てか変質者になった気分」
「いやいやエリスちゃん。ちゃんとパンツ履ける子になってから言おうよ。今でも充分変質者だよー」
「え!?」
エリスはいまだに下着を発見出来ていなかった。ダンボール箱も最初から比べたら減ってはいたが、それでもまだ部屋の三分の一はダンボール箱だ。
「スカートめくれなければ見えないから、それはよくない?」
「いやいやエリスちゃん。スカートはめくれるものだと思わないと。今だってお尻見えてるしー」
「え!?」
パンツを探そうと、ダンボール箱に顔を突っ込んでいるエリスの尻は丸見えだった。
「あ!」
「どうしたの? エリスちゃん」
「よく考えたら、あたしパンツなんて買ってなかったわ!」
「えー、それじゃあ探してもあるわけないよねー? エリスちゃん」
「えへへ」
「もー。今から買いに行こうか? エリスちゃん」
「うん。付き合ってくれる?」
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