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「失礼しました。実は隣の三◯四号室の男性が、部屋で亡くなっておりまして。原因は窒息死という事で事件性がないか調べております」と警察は手短に話した。
「そ、そうなんですか?お気の毒に」
「では、ご迷惑をお掛けしました」と警察は礼をして、三◯四号室へと入って行った。
女性は鞄から鍵を取り出し、ドアの鍵穴に差し込もうとした時、「引っ越して来たばかりなのに、可哀想にねえ」と後ろで声がした。
振り向くと確か、三◯五号室のおばさんだ。
「そうなんですか?」女性はそう応えた。
「何でも蒸しパンが、喉につかえていたそうよ。そんな事、あるんだねえ?」と不思議そうに頷いていた。
そして「どうして三◯四号室ばかりが、こうも人の出入りが激しいのかねえ?きっと呪われてるよ」
そう眉を寄せながら、おばさんは自分の部屋へと入って行った。
女性は少し身震いしながらドアノブを回し、部屋に入った後ゆっくりと、三◯三号室の扉を閉めたのであった。
終わり。
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