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もうずっと、ダメかと思ってた。
本当にこの世に存在してなかったんじゃないかって
幻だったんだって言い聞かせて
この一年間うまくやってきたつもりだった。
…なのに
この現れ方はズルいだろ?
蓋をしていた感情が一気に溢れ出て
あの頃のことが昨日のように思い出される。
…そうだ、俺…
結局何も行動できてなかったんだ。
他人からの好意には答えたくないくせに
自分が透を好きになってからは、当たり前のように合わせることしかしてこなかった。
だから、今度は俺の番。
こんなに爪痕残してさ?
もういらないなんて言わせないよ。
…今度は本物のやつ、しよーな。
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