303

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303 もうずっと、ダメかと思ってた。 本当にこの世に存在してなかったんじゃないかって 幻だったんだって言い聞かせて この一年間うまくやってきたつもりだった。 …なのに この現れ方はズルいだろ? 蓋をしていた感情が一気に溢れ出て あの頃のことが昨日のように思い出される。 …そうだ、俺… 結局何も行動できてなかったんだ。 他人からの好意には答えたくないくせに 自分が透を好きになってからは、当たり前のように合わせることしかしてこなかった。 だから、今度は俺の番。 こんなに爪痕残してさ? もういらないなんて言わせないよ。 …今度は本物のやつ、しよーな。
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