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「戻れなくなったら…っ!」
一言だけそう言って胸ぐらを掴まれてキスをされた。
「ん…っ、ぁ…、ふ…っ、はっ、ん…」
孝太の舌が動くのが気持ちよくて、必死に絡ませていた。
「あお、い…っ、」
「ん…、こーた…っふ、ぁ…」
女相手でも、こんな声は出ないはずなのに
なぜかこの状況にひどく興奮して鼻から抜ける吐息を抑えられなかった。
「戻れなくなったら…っ、責任、取れよ…っ!」
バッと胸を突き放されて、離れた唇に冷たい風が当たる。
「はい。モチロン。てゆーかもう戻れんの?俺にこんな思いさせておいて、一人で戻んないでくださいよ。」
ここからは、もはや賭けだったと思う。
今にも腰に手を回してしまいそうだった。
「ん。ちゃんと…彼女と話すから、待ってて?」
彼の口からこんなことが聞ける日がくるなんて…っ
だけどまだ始まったわけじゃない。
だから俺はーー
「はい、いつまでも待ってます。嫌だと喚いても追い続けます。」
自分の理性を抑えて、できるだけ冷静に対処する。
その後は二人でへたり込んで、床にくっついて座ったまま、しばらく動こうとしなかった。
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