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15 本当は二人きりになった瞬間飛びつきたかったけど、我慢して指定された二人掛けのソファーに座る。 「蒼。」 そして俺の目の前に正座した孝太。 なんで正座だよ、なんて笑えてきたけど。 「ん、どしたの?」 「蒼。」 もう一度名前を呼ばれて。 なんだか胸がくすぐったくなった。 「なんスか。」 「好きだよ、蒼。」 「…っ。」 俺が、ずっと欲しかった言葉。 「彼女と別れた。だけど勘違いしないでほしい。お前のためじゃないよ? それはそれで俺ら二人の問題だったから。」 「はい。」 「別れてすぐなんてズルいだろうけど、俺も蒼が欲しくなったんだ。」 「…ほんと?」 「ほんと。蒼、付き合おっか。」 どうしよ、俺すごい幸せだと実感した日。 こんなに本気で人を好きになったのは、孝太が初めてだった。 ーーーあの時は、今よりもまだ心が澄んでいたと思う。 人を疑うことも、好きな故に苦しむことも何も知らなかったから。 いいことも悪いことも、最初にくれたのは孝太だったんだよ?
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