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「こんなだったなんて、聞いてない。」
ふてくされたように、孝太を睨む。
「んー?なにが。」
「だって、俺が迫った時なんてあんなに顔真っ赤にしてたのに…今のはなに、誰なの?」
前までは、どちらかというと俺が責めるもんだとさえ思っていた。
「っは、んだよそれ、」
はははと笑いながら俺を覗き見る。
「あん時からさー?想像しちゃってたワケ。
普段冷酷なお前が、俺の手の中で服従することを考えたらすげー興奮したんだよ。
現実になって、たまらなく愛おしいよ。
誰にも見せてない蒼、もっと見せてね?」
ちゅ、とキスをされてお風呂場へ消えた孝太の背中は、かっこよかった。
…、つーかやばい。
俺こんなにMだったっけ?ってくらい彼にゾクゾクしてしまう。
俺も知らなかった俺自身。
本当にもう戻れないんじゃないか、って怖くなったんだ。
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