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初めて男に抱かれた日。
そして初めて大好きな人が俺に手を伸ばした日。
今までの恋愛なんて、比にならないんじゃないかってほどの衝撃があったのを覚えている。
孝太は本物だって思ってたんだよ?
快楽のために付き合うわけじゃない、きっと本気で俺の手を取ったんだって。
だけどやっぱり、平気な顔して俺を置いて行ったんだ。
忘れないよ。
卒業と同時に俺の手を離したこと。
『蒼だってわかってるんだろ?このまま一緒にいても、未来なんてないよ。
好きだからこそ、お前には幸せになってほしい。
だから俺は身を引くよ。
お前だって、別に男が好きなワケじゃねーんだろ?』
俺のため?
綺麗事を並べて、結局は自分の為だろ。
あんなに俺を甘やかしてくれたのに。
2年もの月日を俺にくれたのに。
最後は結局女を好きだった頃の自分に戻るんだ。
俺は好きになった人なら性別なんて気にしないのに。
その人と一緒にいれることが一番の幸せなのに。
だから俺は信じない。
他人が言う“好き”だなんて、脆いものだと知ってしまったから。
それなら、俺から好きになればいいんだろ?
俺だけが幸せなら、それでいいんだろ?
恋愛なんて、結局自己満足だった。
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