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292 目を覚ました頃にはお昼を回っていて、起きた時に感じた孤独が一人なのかと不安にさせたんだ。 「透…?」 名前を呼んでみても返答はなくて、本当に一人なんだと知る。 「…帰ったのかな?なんで、俺に何も言わないで帰んだよー。」 なんてボヤきながら電話を手に取る。 『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。』 あー間違ったかな、えーっと、“西村透”っと… 『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。』 は? ラインを開くとそこには真っさらな名前。 は? ちょ、ちょっと待て。 何が起こってんだ? とりあえず…何をしたらいいんだ? えっと…、翔太…、翔太? 翔太に言わないと…っ えーっと…翔太は、今… えーっと…っ!なんだっけ…? 頭がグルグル回って、何も動き出せなかったのを覚えている。
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