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8 男に対して、正直どうモーションをかけていいのかわからなかった。 だから直球勝負。 「あなたが欲しいです。」 好きだと自覚して間もなく、彼をサークルの狭い物置部屋に呼び出した。 「蒼ー。なーに言ってんの?どした、何が欲しいの?」 きっと何を言っているのか伝わらなかったんだと思う。 「…んっ!?」 次の瞬間、俺より少し身長の低い彼の頭を取ってキスをしていた。 「こういう意味です。佐野先輩が欲しいです。」 初めての男とのキス。 悪くなかったのを覚えている。 「ん、わかった。おいで、蒼。」 「ん…、?はっ…ふぁ、ん…ぁ、え…?」 気づけば彼の腕が首に巻きついて、二度目のキス。 「んー。悪くない。可愛いーじゃん、蒼?」 そう言って俺の唇を親指でなぞったんだ。 「…っ。佐野、さん…っ」 それすらにも興奮するほどには、好きだったと思う。 「でもごめんね?俺彼女いるから。ありがとうね。」 サラッと流されて、部屋を出て行く佐野さん。 「んだよ…っ」 さっきのは、なんのキスだったんだろう。
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