0人が本棚に入れています
本棚に追加
初恋
私はいつものように神社を守り
参拝に来た人たちの幸せを願っていた。
ピーン...
なにかが私の張った結界を抜けたらしい。
「おかしいな。私の結界に触ったとわかる者は
妖魔ぐらいしかないはず。」
「しかも触れてもすり抜けられるはずはない。人の子には、反応しない筈なのに。」
稲荷の守護神は警戒した。
狐の化身になり
人の目に触れぬ姿になって
神社を見て歩いた。
少しの間神社を見て歩いてた稲荷の守護神は
心臓に弓矢を射ぬかれたような衝撃を覚えた。
「う....美しい!そして、神々しい」
狐の化身は、一瞬で、恋をした。
あの方と話をしたい。
お側に行きたい。
狐の化身が夢中になったのは
身長がない165センチぐらいあり、
年齢は20才くらい。
黒い長い髪を白い布で一束にまとめ
白い装束、赤い袴の巫女だった。
何処から来たのだろう。
彼女は間違いなく神の血を引いている。
私には雲の上の人だ。
でも、少しなら話をしてもいいじゃないか。
押さえられない気持ちのまま
狐の化身は巫女と同じ年齢くらいの
宮司の姿を取っていた。
最初のコメントを投稿しよう!