初恋

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初恋

 私はいつものように神社を守り  参拝に来た人たちの幸せを願っていた。  ピーン...  なにかが私の張った結界を抜けたらしい。   「おかしいな。私の結界に触ったとわかる者は 妖魔ぐらいしかないはず。」 「しかも触れてもすり抜けられるはずはない。人の子には、反応しない筈なのに。」  稲荷の守護神は警戒した。  狐の化身になり  人の目に触れぬ姿になって  神社を見て歩いた。  少しの間神社を見て歩いてた稲荷の守護神は  心臓に弓矢を射ぬかれたような衝撃を覚えた。   「う....美しい!そして、神々しい」  狐の化身は、一瞬で、恋をした。    あの方と話をしたい。  お側に行きたい。  狐の化身が夢中になったのは  身長がない165センチぐらいあり、  年齢は20才くらい。  黒い長い髪を白い布で一束にまとめ  白い装束、赤い袴の巫女だった。  何処から来たのだろう。  彼女は間違いなく神の血を引いている。    私には雲の上の人だ。  でも、少しなら話をしてもいいじゃないか。  押さえられない気持ちのまま  狐の化身は巫女と同じ年齢くらいの  宮司の姿を取っていた。  
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