スターゲイザー

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エリカ:それから、大学受験の前の日も、ここであんたは登り棒をしてた。あたしはよく分からないまま付き合わされて・・・。けど、まさか東京の大学からわざわざ戻って来るとは思わなかったわよ。登り棒をしに! あやめ:だってこうしてると、なんかね、気持ちが落ち着くんだもん エリカ:東京にもあるでしょう、登り棒 あやめ:東京のはダメなの エリカ:何が? あやめ:なんかよそよそしくって エリカ:よそよそしい? あやめ:それに冷たいの エリカ:冷たい? あやめ:そう登り棒が エリカ:はぁ?それって冬だからじゃないの? あやめ:違う、ぜんぜん違うよ。東京の登り棒じゃ、しっくりこないもの エリカ:地域によって材質とか太さが違うってこと? あやめ:うんん、共鳴しないの・・・ エリカ:共鳴?えーと・・・登り棒の・・・固有振動数が・・・例えばカップ麺みたいに、関東と関西で違うとか・・・そんな問題? あやめ:魂よ!魂が共鳴しないのよ、棒と・・・
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