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あんのヤロウ……信じられないっ。
なんで私の方が待たされるわけ?
10時に駅前っつったよね?
私は結局言われた時間ぴったりに待ち合わせ場所へと来ていた。
時間はもう11時を回り、一時間以上経っていた。
向こうから小谷君が走ってくるのが見えた。
「大山っごめん!まさか時間通りに来てくれるとは……」
「小谷君、そこで止まって!」
近付いてくる小谷君を自分の2m手前で立ち止まらせた。
私はデートを楽しむためにここに来たんじゃない。
「周りを見てみて。世間一般のカップルの組み合わせを!」
ここは待ち合わせスポットで周りにはたくさんのカップルがいた。
どこにも私達みたいな極端な身長差なんていない。
「また身長差の話?」
「小谷君は平気でも周りはそうは見てくれないのっ。」
「大山気にし過ぎ。」
「身長差でいいねぇなんて言われるのはせいぜい30cmまでなのっ!」
小谷君は全然納得いかないようで不満げな顔をしていた。
「いい?理想の恋人同士の身長差ってのは……」
「知ってる。15cmだろ?そんでキスしやすいのが10cmで、ハグしやすいのが30cm。」
小谷君が話しながら私の方にどんどん近付いてくる……
「50cm差なんて人によっちゃキモイとか言われるぐらいなのも知ってる。」
「……じゃ、じゃあなんで?」
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