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「そんなもんっ好きになっちまったんだから仕方ないだろっ!簡単に止められるかっ!!」
目の前まで来た小谷君は私を強引に抱きしめた。
小谷君の体はすごく大きくて…毛布みたいにすっぽりと私を包み込んだ。
「理想の心の距離は何cmだと思う?」
……心の距離?
抱きしめられているこの状況に頭がパンクしてしまってなにも浮かばない。
「0cmだよ。周りがなんと言おうが関係ねぇ。俺達がぴったりくっついてたらいいんだよ。」
─────もうダメだ……
自分の気持ちにウソが付けない……
私も小谷君が好きだ。
145cmの小さな私が、195cmの大きな小谷君を好きになってしまった。
有り得ないのに…気持ちがもう抑えられない。
大きな背中に手を回しギュってすると、それに応えるように小谷君もさらに私を強く抱きしめた。
温かい……小谷君に守られてるみたいですごく安心する。
私はなんてつまらない意地を張って跳ね除けようとしていたのだろう……
「……大山泣いてる?」
「泣いてない……」
「泣いてるよね?」
「泣いてないったら。」
「あぁそっか。ヨシヨシ。」
大きな手で私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
相変わらず犬みたいな扱いなんだけど、小谷君からの愛情がすごく伝わってきて嬉しかった。
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