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「OK。俺に任せろ。」
小谷君は大きな手で私の頭をポンポンと撫でてから戦場へと向かった。
こ、神々しい!
小谷君は人混みの中でも頭一つ飛び出ていた。
長い手を軽々と伸ばしてお目当てのパンをあっという間にGETして帰ってきた。
「どうだっ背の高い彼氏は頼りになるだろ?」
確かに便利ではある。
お金を渡し、ありがとうと言ってソーセージパンを受け取ろうとしたら、パン食い競走みたいに高く持ち上げられてしまった。
手を延ばしてジャンプしても全然届かない。
「ちょっと小谷君っ意地悪しないでっ。」
「大山はホントにちっちゃくて可愛いな~。」
ちっちゃいとか言われるとムカってくる。
「よし。二人で屋上行って食べよう。」
「お、屋上?……やだっ!」
うちの学校の屋上は昼休みだけ解放されていてそこでお昼を食べることが出来る。
いつからなのか暗黙の了解で、そこはカップル限定の場所となっていた。
「ソーセージパンが欲しけりゃ付いといで~。」
小谷君はパンをプラプラさせながら屋上へと歩いていく。
私はその周りをぴょんぴょんしながら付いて行くしかなかった。
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