もう天使ではいられない 6 ほんの少し・・・

3/8
前へ
/8ページ
次へ
「だいじょうぶです、大丈夫。  大学、落ちて凹んでとかないです」 「アァ、よかった、よかったわ!」 オバチャンの指が震えてたみたいで ホンマに申し訳なかった。 「すみません、余計な心配かけて」 「こちらこそ、ゴメンね。  可笑しなこと尋ねて」 「むしろ・・・」 あかん、見ず知らずのオバチャンに 何を相談しようと・・・、 「むしろ?」 でもオバチャンが優しそうやから 「受かったんですけど、私、大学より    美容師になりたいんです」 「美容師さん?そう言えば    綺麗に髪を結んではるわ」 「これは毎朝、お父さんがしてくれて」 そう、ウチは美容師一家。 「お母さんもお兄ちゃんも、お嫁にいった  姉さん夫婦も美容師なんです」 「そう、お洒落な御家族ねえ」 「私もそうしようと・・・」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加