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電車がまた来たけど乗らんかった。
「オバチャ、」
言いかけてオバチャンを見てみると
ウチのお母さんより若い気がする。
ただ髪は真っ白に近いけど・・・。
「おばさんはどうしてここに?
電車、乗らへんかったけど・・・
あっ、私やったら、ホンマに大丈夫」
「うん、わかってるよ。私・・・
私は・・・ここで法事、かな」
「エッ?!」
「ゴメンね、こっちこそヘンやね、ふふ」
それからオバチャンはホームの端を指して
「去年・・・あそこから・・・
ウチの息子・・・特急列車に」
「 ! ! ! 」
「大学・・・落ちた日やった」
話に合わすみたいに特急通過・・・。
「滑り止めは受かってたのに
なんで京大にこだわったんか・・・
考えても、何べん考えても
まったく解らへんの・・・」
「 ・ ・ ・ 」
「ごめんねぇ、暗い話したね」
「いえ・・・そう言えば同級生も・・・」
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