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世界はその一瞬で赤で染まった
「愛華!」
「来ちゃだめ、蓮斗!早く行って!」
手を押さえて倒れた愛華に駆け寄り抱き締めようと手を広げたのにそれを彼女は振り払う。
「ダメ蓮斗……早く、大丈夫だから……いいから……はや、く行って!」
「でも!」
「貴方はこんな所で立ち止まっていちゃだめ!行ってー!」
押し退けられ、オレに逃げろと悲痛な叫びを上げる愛華
何故逃げなきゃならない?
けれど愛華の必死の声にオレは身を裂かれるような思いで愛華を置き去りにしたんだ。
なんて残酷な事実なんだ……
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