3:リハビリ開始

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どんなにがんばってみても動かない。残念で仕方なかった。リハビリ室の移動は車イス。 自分で動かさず運んで貰う。 人に助けてもらわなければできないことが苦しく思った。ただここ数日ベットに閉じ込められたままよりいくぶんかましだった。 昔からじっとしてることは性に合わない。 じっとしているのは体にとどまらなかった。 暇な病院でお話しできることが気分的に違った。 最初はお話できる人とそうでない人を警戒していた。話せない人に心を許したら自分が傷つく。 ましてや、からだの事で悲しいこと言われてしまったら前に気持ちがむけない。 今までの経験での結果だった。 女性山崎先生はとっても美人さん。 とは別にかなり心の広いお人だった。 あほ全快な自分の言うことを受け流していた。 病院の先生は旨く言葉を使う。 尊敬するくらい。 行きたい場所の話や旦那と結婚する前のリア充な話をした。話した後ふと思った。 楽しい想い出があったから今大変でも平気でいられるんだな、と。先生以外でも看護士の卵さんたちが患者の様子を見てくれるので笑ってもらいたくて、お喋りしまくった。週に何回かのシャワーの洗髪も回を増すごとに上手になっていった。ストレッチャーに看護士さん総出でいよいっしょっと自分の巨体が移動する。服を脱がされ、まさに築地のマグロになった気分で洗われる。身体が動かなくてこんなにお世話になってるんだなと思った。 二日目、動くかわからない足のリハビリ。必死で動かしてみるができない。中田先生は言う。「じゃあやめますか?」やめたらもう動かすこともできなくなる。 やらなきゃが自分の左足を動かした。「うごくじゃないですか。」しれっと言われる。自分からしたらこれが全力。少しほっとした。言語は回りの様子を言い当てたり、プリントをやったりした。左を見比べて線を引いて立体的な図形にする。苦手だった言われてる事とやってることが違うときに一旦止められる。話を聞いて!は前からよくいわれてしまう。倒れる前と変わらない性格がでてしまってるようだった。
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