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「っていうか、何でお前がいるんだよ」
「まあ、化け猫だからかな。死んでも魂は現世に残るんだろうな」
「なんで、こうして人と話せるんだよ」
「化け猫は人間の魂と話せるんだから、化け猫の魂が人間と話せたって不思議ではなかろう」
「十分不思議すぎるよ。それに、何でおれだけがお前を見ることができて、お前と話をすることができるんだよ」
「まあ、化け猫だからかな」
「全然納得できないよ!」
「なにブツブツ言ってるのよ!」
「い、いや、なんでもない」
「最近、猫のミイちゃん見かけないわね」
「死んだんじゃないの?」
「まあ、冷たいこと言うわね」
化け猫は、じゃあなと言って空に浮かんで行ってしまった。
「それよりさ、ゴールデンウィーク空いてるんでしょ?」
「ああ、もちろんさ。よろしくな」
しょうがないわね。
幼馴染は軽やかに駆け出した。
おい、ちょっとまてよ。
慌てたクソガキが水たまりの端を踏みしめた。
靴底から弾け飛んだ水しぶきがキラリと輝いて消えた。
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