SOUL OUT

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 化け猫は、何かをつぶやき始めた。 「なんだか急に肌寒くなったな。もうやめようか、化け猫。---ねえ、お前は何をブツブツ言ってるの」  相変わらず、化け猫は半眼を開けたままゴニョゴニョと言葉にならない言葉をつぶやいている。 「なんか薄暗くなってきたし、気持ち悪くなってきたからもうやめるね。って、あれ、体が動かない」  クソガキは浮き上がろうとするが、かなわない。左右に体をひねることすらできない。首から上だけを辛うじて動かすことができる。 「化け猫、お前さっきからなにやってるんだ。グチャグチャとお経のようなものを唱えやがって」  化け猫のつぶやきは、ときに小さく、ときに大きくなりと、うねりを帯びてきた。 「その呪文みたいなやつ、もうやめてくれないか。気持ち悪いよ。ん、呪文って、まさかお前」  うねりは大きくなり、クソガキは脳が揺さぶれるような心地がして、徐々に平衡を失っていった。  強風が吹き荒れ、カーテンはバサバサと音を立てて乱れ狂った。 「これって、おれを生き返らせるためのものなのか?なあ、おい。そうしたら、お前、死んでしまうじゃないか。おい、化け猫!やめろ!聞いてるのか、ボケ!早くやめろってウワアアア」     
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