2人が本棚に入れています
本棚に追加
『あーもう!遅刻遅刻!』
制服を着た少女はイチゴジャムが塗られたトーストを口にくわえ、右手にフルーツサラダを、左手に野菜スープを持って朝の住宅街を時速4kmで全力疾走している。
『登校初日から最悪...きゃ!』
少女は曲がり角で誰かとぶつかった。その反動で野菜スープのオーロラが展開され、フルーツサラダの絨毯が広げられて、トーストは宙を舞い少女の頭に着地した。ジャムが塗ってある面から。
『すまんのお嬢さん。大丈夫かい?』
ぶつかったのはお爺さんだったらしい。
頭にトーストをのせ野菜スープを被ってフルーツに囲まれている少女はお爺さんを見て
「あらやだこのお爺さん!タイプなんですけど!」
と思った。少女はお爺さんに
『大丈夫です。それより名前を聞かせて下さい!』
といった。するとお爺さんは
『む!さては新手の詐欺じゃな!騙されぬぞ!』
と言って走り去ってしまった
『絶対、連絡先を聞くんだから!逃がさないよ』
彼女は深く決心した
最初のコメントを投稿しよう!