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日和が台本を読み始めて数秒後。
飛鳥は全身に鳥肌を立てていた。
何なの、この子……。
自分で書いたとはいえ、主人公以外の性別・年齢を超えた5人の脇役を、声色から仕草から、まるで別の人間がそれぞれ読んでいるかのように演じ分けていた。
「ねぇ。あなた、何者なの?」
飛鳥の質問に、初めて日和が答えた。
「私? 私は、演劇好きな田舎の女子高生だよ」
その瞬間、部室をコンコンとノックする音が響いた。
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