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「ねえ、水遊びするには季節外れじゃない?」
見せたい場所があるの、と日和に連れられてやって来たのは、学校から自転車で5分程度の距離にある河川敷だった。
呆れる飛鳥を尻目に、ジャージズボンの裾を膝上まで捲り上げ、日和は水の中をじゃぶじゃぶと歩き出す。
膝小僧の真下辺りまで浸かったところで、
「うん、この辺りだな」
と立ち止まると、息を深く吸い込んだ。
「発声練習です!」
低くよく通る日和の声が、川の水面を飛び越え、向かいにそびえる山肌に響いてこだました。
その声量に圧倒されつつ、飛鳥はあくまで興味のないふりをした。
「発声練習? なんで水の中で? 意味分かんない」
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