2.唯我独尊

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心の声を聞き取って、すべてを見透かしたような目を日和は向ける。 逃れるように反射的に俯いた飛鳥は、ごまかすようにジャージズボンの裾を彼女と同じように、くるくると巻き上げた。 シューズを脱ぎ捨て、まずは足首まで川の水に浸かる。 「冷たっ!」 予想以上の大声が出たことに、飛鳥自身が驚いた。 「さすが飛鳥さん、いい声出すね~」 茶化したトーンではなく、本当に感心したように日和が言う。 「ここだと思った以上に大きな声が出せるでしょ」 やっぱり、日和は飛鳥の心情と行動のすべてを見透かしている。 腹をくくって、飛鳥は発声練習を試みる。 児童劇団に所属していた頃、散々暗唱させられた古典の和歌を、朗々と歌い上げた。
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