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しばらくすると、ダンダンとリズミカルに体育館の床を鳴らす音が響き出した。
恐らく、バスケットボールをドリブルする音だろう。
甲高い歓声から女子バスケ部が使用していることに気づいた。
2人は緞帳の内側で軽くアイコンタクトをとると、発声を控えめにしながらも、構わず練習を続けた。
飛鳥が舞台上で背を向けるポジションを取った時に、事が起きた。
バチン!
と激しい音をたて、パスミスされたバスケットボールが、緞帳越しに飛鳥の背中にヒットしたのだ。
「痛っ!」
すぐに口元を押さえたものの、複式呼吸が板についていたお陰で、よく通る声が体育館中に響いた。
一瞬、シンと静まり返った後に、緞帳の向こう側から、飛鳥に負けじと聞き取りのよい声が響いた。
「誰か、いるの!?」
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