2.唯我独尊

11/11
前へ
/46ページ
次へ
***** 後で確認して判ったのだけれど、日和は 「唯一無二」 と言いたかったらしい。 「唯我独尊って……」 「響きが似てるじゃん」 「『唯』しか合ってないし」 唯我独尊はあんただよ、と日和に言いたいのを飛鳥はグッと我慢した。 ***** あの後、センターに立っていた女子バスケ部のキャプテンが、両サイドを伴って、飛鳥に直々に謝りに来たのだ。 「その場ですぐに止められなくて、ごめんなさい。文化祭の舞台、楽しみにしてるね」 宝塚の男役ばりに長身でクールな容姿のキャプテンに丁寧に頭を下げられ、一瞬だが飛鳥もぼぉっと魂が抜かれそうになった。 「飛鳥さん、口元が緩んでるよ」 日和に指摘され、思わずヨダレを拭う仕草が出た。 「塚田さんって言うらしんだけど、『塚サマ』って呼ばれてて、女子人気が高いらしいよ」 日和のお陰で、飛鳥はまた1つ校内事情に詳しくなった。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加