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後で確認して判ったのだけれど、日和は
「唯一無二」
と言いたかったらしい。
「唯我独尊って……」
「響きが似てるじゃん」
「『唯』しか合ってないし」
唯我独尊はあんただよ、と日和に言いたいのを飛鳥はグッと我慢した。
*****
あの後、センターに立っていた女子バスケ部のキャプテンが、両サイドを伴って、飛鳥に直々に謝りに来たのだ。
「その場ですぐに止められなくて、ごめんなさい。文化祭の舞台、楽しみにしてるね」
宝塚の男役ばりに長身でクールな容姿のキャプテンに丁寧に頭を下げられ、一瞬だが飛鳥もぼぉっと魂が抜かれそうになった。
「飛鳥さん、口元が緩んでるよ」
日和に指摘され、思わずヨダレを拭う仕草が出た。
「塚田さんって言うらしんだけど、『塚サマ』って呼ばれてて、女子人気が高いらしいよ」
日和のお陰で、飛鳥はまた1つ校内事情に詳しくなった。
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