2人が本棚に入れています
本棚に追加
*****
飛鳥は、演劇部部室の扉前に立っていた。
「演劇部って、どこですか?」
飛鳥が1人で職員室に出向き、演劇部について尋ねたことで、教員たちもどよめいた。
「この時間は顧問の先生が不在だから、誰もいないかもよ……?」
若い女性教師が、飛鳥のやや高圧的なオーラに押されながら、おどおどと案内してくれた。
体育館の物置部屋を間借りしているだけのお粗末な部室を前に、飛鳥はため息をついた。
「本当に、演劇部が存在するの?」
踵を返して帰ろうとしたところ、聞き覚えのある声が響いた。
「あれ~、来てくれたんだ!」
飛鳥をスカウトした張本人、日和だった。
最初のコメントを投稿しよう!