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「狭くてごめんね~、ここに座ってくれる?」
飛鳥の質問には答えず、マットやバレーボールネットなどの用具類に取り囲まれてわずかに空けた1畳ほどのスペースにパイプ椅子を向かい合わせに並べて差し出した。
実際に2人が腰を掛けると、額を付き合わせざるを得ない距離になる。
日和を問い詰めようとしていた飛鳥の勢いは、ややトーンダウンした。
「ねえ、他の部員は?」
質問を変えてみた。
「部員? 私、1人だよ」
「はぁ!?」
予想外の日和の答えに、至近距離で思わず大声を出してしまった飛鳥は口元を押さえる。
「これ、2人で、どうやって演じるの?」
日和の書いた台本には、ヒロイン以外にステージママの母親役他、ライバル女優、プロダクション社長、悪徳プロデューサー、役立たずのマネージャー等5人の脇役が描かれていた。
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