カムリの初恋

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隙を見て夜な夜なムーン・ビーストを持ち出して、殺戮を行なっていたのだ。 今宵も兵隊狩りに出てきた。狩って、狩って、狩り尽くしてやろうかと牙を剥くと、人の群れを見つけた。面白く無いので踏み潰してやろうか、と思うと。 群れの中に女…?少女がいるのを見つけた。七歳のカムリに対し何歳だろう?もっと小さいんじゃないかと思う程の女の子だった。 興味が湧いた。この暗闇の中で少女達は一体何をしているんだろう。 幼いカムリには分からなかったが、男達は汚い声で笑い、何やら興奮しながら少女に手を出した。 「いやー!」 泣き叫ぶ少女、さながら男兵たちは、力任せに少女を縛りあげると、服を掴んだ…。 (何だ…?弱いものイジメか…?) ハッチを開けるとカムリ・栞はサブマシンガンを手に取り、ぱららららっと、一掃した。 少女を残して男共は無残にも倒れてしまう。 流れ弾が当たらなかったのは奇跡か? ともあれ少女は助けられた。 「ありがとう、お兄ちゃん!」 人懐っこい瞳がカムリを射止める。 「私たぶん今この男の人達にてごめにされちゃう所だったんだよ?」 少女の愛らしい容貌にカムリは頬を赤らめた。 「訳わかんねー事言ってんじゃねー。お前はこの屑共にイジメられてたんだろう?だから助けてやったんだよ…。」 「じゃあお兄ちゃんは正義のヒーローだ!弱い者イジメが嫌いなんだよね?悪い人間をやっつけるんだよね!」 無垢な瞳に気押されてしまった。 「オレは嘘つきが嫌いなだけだよ。この世で一番くだらねーのは嘘をつかれた奴だ。よく覚えとけよチビ。何故、ガキがこんな所にいる?」 「お城のじょうかまちで暮らしてたんだけどねー、お母さんに待っててって言われて待ってたら、いつまで経っても誰も来なくてねー、変なおじさんに連れて来られちゃったの。」 このチビも…。親に見捨てられたのか…。カムリは己を見ている気になった。が…。 「お兄ちゃんはオオサカ王国の出身?私のお父さんはオオサカ王国で兵士をしていたの。でもこの間の夜、悪い人に殺されちゃったんだ。でも、お兄ちゃんはそんな悪い奴を懲らしめてくれるんでしょう?」 「!?。」 まさか夜間戦闘で俺が殺してしまったんじゃないよな…?カムリは罪悪感にかられ始めた。
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