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模擬戦
実戦見学まで後一日。今日の天候は快晴。こんなに晴れの日が疎ましいと思う事は人生に二回程だった。
年少組の時37度近くあった糞暑い天候に恵まれた時、おやっさんの全校集会が屋外で行われた。
糞ガキだった僕は、別に暑かったのはどうでもいいんだけど、大の方をかましたくなってしまい、おやっさんに「暑くて、倒れそうなの。救護室に連れてって?」と、
大の方を周囲に悟られるのが嫌で嫌でしょうがないどうしょうもないプライドを持った屑ガキだった僕は、おやっさんに誠心誠意、病的に、薄汚く懇願した。なのにおやっさんが何をトチ狂ったのか、
「俺なんかこの糞暑い中ウンコを我慢してまで演説しているんだ!あと10分ぐらいで終わる気分だから気合いで我慢しなさい!」
と馬鹿で阿保でエゴ欲にまみれきったおやっさんの言い分に誰も、誰もツっこむ事が無く論破されてしまった。
「みろよ~ファリスのケツが三つに割れてるぜ~。」
「違うッ。これはうさぎのしっぽをお尻の穴の中に突っ込んでいるだけだ。大の方じゃないッ。」
おやっさんのせいで皆んなの前で泣きっ面に大恥をかいた。後日、おやっさんに問い詰めたら。
「そんなの俺も昔はよくやったぞ。大山椒魚とか言ってな。」
とドヤ顔で自慢されてしまったあの日。
また年中組の時、台風で訓練が中止になったのてわ、垂涎。破顔。した矢先台風が何をトチ狂ったのか見事反対方向に反転していってしまい、快晴になってしまったあの日。
そして今日。こんなにも快晴が恨めしいのはアンデットと僕ぐらいでは無いだろうか?今日は年長組で最初の実戦訓練日。つまり、僕の非公式のデビュー戦?に等しい。年長組のムーン・ビーストの扱いは、他国の精鋭の一段上を行くとかいかないとか。
若干15~19歳で、隣国の訓練兵を手玉に取るぐらいの力量をもつ少数精鋭のキョウト学会の勇猛果敢さに、自分が名を列ねる事は未来永劫ない様な気がした。
従って3日前の誕生日から配属された、学会の年長組も、今まで通り、落ちこぼれでは許されない環境に置かれることが、ファリス・京にはこの上なくプレッシャーだった。どうせ、自分は落ちこぼれなんだ。
最初だけ。カムリも、シノギリスも、ケレンも、どうせ最初だけなのだ。自分の人望は、皆を裏切る形で、どうせ皆態度を変えるのだ。初めから一人の方が良い。カムリもこんな出来損ないの「弟」を16歳にもなって
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