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「このART OF WARは太古の昔、まだこのヒノモトが栄えていた頃の伝説的な格ゲーと伝わるシロモノじゃ。これでワシに勝つ事がお前の最後の試練や。お主に勝ったら、ワシはもうお前に関わる事をやめる。そのかわしワイが勝ったら、皆んなの前でカムリとはコンビを解消する宣言をして貰うで!ワイがキテレツでお前がコロ助や!どうや?このイカれポンチが!」
筐体ゴト自室にあるんですねーとファリスは感心する。ケレンは、筐体の横の方にある細い空洞にCDディスクを取り込ませた。
二人は筐体に身を滑り込ませ、百円を入れた。ファリスは黒いビニールのソファに背中を預け、左右のハンドルを巧みに操作した。一体どのキャラクターにしようか逡巡していると
「ワイの使うキャラはヘル・コメディアンじゃ。ボケをかまして自分でノリツッコミしていき、自分でダメージを受けてしまう事が玉に傷やが、いいハンディやで。クク。クソガキ一人、モズの早贄にしたろうか?泣いても知らんでー。」
ワッハッハと一人上機嫌に大笑いするケレン。何がそんなに楽しいんだろうとファリスは思う。
「僕のキャラクターはレッド・クイーンでいきます。僕はゲーム自体あんまりやった事が無いのですが、自信だけはあります。よろしくお願いします。」
そら良いことを聞いたでエロガキ。このゲームのワイの経験値はこの年長組じゃ一番や。10連敗したのはカムリだけやった。カムリの相棒を語るならワイを倒してみーや。
二人はガシャリ、ガシャリと黙々と操作を続けていった。やがてバトルのゴングが鳴る…。
ヘル・コメディアンVSレッド・クイーンのバトルが幕を開けた。
先手必勝。ケレンはヘル・コメディアンにツッコミ攻撃の連射のコマンドを入力した。通常は開始間も無い、卑怯な不意打ち攻撃に皆餌食になる。
ププ。お主も馬鹿じゃのー。この戦い、初めからお主の勝ち目は無いんやで。この勝負に乗った馬鹿さ加減を後悔しいや。
「!?」
しかしファリスのレッド・クイーンに奇襲攻撃はガードされてしまう。
ビギナーズラックや。ププ、頭悪いで、マグレでワシに勝てる程世の中上手くできて無いでー。
怒涛の連続攻撃を仕掛ける。上段ツッコミ、中段ツッコミ、下段ツッコミ。多彩なジャブとパンチから織り成す見事なコンビネーション。華麗なハメ技で年長組のダーティー眼鏡の異名をとった、
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