模擬戦

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「この試合。戦っても勝てないのはどう足掻いても無理なのはそうやで。だから攻撃と守備を両方固めて引き分けの逃げに転じるのが一番得策や。」 ふんふんと皆同調する。 「まず攻撃に転じさせると見せてムゴルを前線に一番近い所に置く。」 「ムゴルを大将に使わないのか?この中で一番強いのはムゴルだぞ。」 「せやから、あくまで攻撃的な守備やで、ムゴルには前線で大暴れして貰う。」 「続いて中盤に…。」 ケレンは黙々とアイディアを出していった。そして… 「大将はファリスや。」 皆口々に不満を言いはじめた。 「なんで大将がこんな年中組上がりのちんちくりんなんだ!」 「ふざけてるなら本当に殺すぞ!」 とムゴル。 「待てや待てや!ファリスはガキの頃からカムリとコンビを組む程の実力者なんやで!」 「!?」 「幼い頃から吸血兄弟言われてたらしいで。実力はカムリのお墨付きや、どうする。この手を使わん手は無いで。どの道この戦力じゃ勝つ事はできひん。ここはファリスに賭けるのが一番得策やと思うが。」 「待ってください!僕が大将なんて無理ですよ。今日初めて来たばかりなんですよ?」 「そない意地悪すんなや~。おじさん達に力を貸してやファリス。勝てば官軍やで。この中で一番強いカードを切るまでや!」 ファリスに頭の中が真っ白になる。いきなり終わった…。 「以上が今考えられる最強の布陣じゃ。ワイもファリスの副官に着くさかい、これで勝利は強固なものじゃ。いいか絶対引き分けるでぇ!ムゴルの為にも皆で一丸となってしばきあげたろうや!」 おおーと雄叫びをあげた。 試合前 それじゃあ大将様に状況説明を。」 本当に恨みますよケレンさん。 「今、コボルデがおるやん?」 紫色の凡庸ムーン・ビースト「コボルデ」を指差した。 「そのコボルデを横三列に陣形を敷くんや。一番前がムゴル率いるコボルデ五機や。二番目がワイ率いる四機。最後が嬢ちゃんやで。出来るだけワイとムゴルで食い止めるから嬢ちゃんはなんとか逃げ切ってくれや。恐らく時間終了間際になったら大将、副官のカムリ、シノギリスも動く。それまで持ち堪える事は多分無理や。そこからが嬢ちゃんの見せ場やで。」 「向こう側の敵のMBで、銀色と紅色の見た事無いMBがいるんですけど。」 遠くの敵サイドを指差した。 「あー。」 とケレンさん頭を抱えた。
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