ファリスとカムリ

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「今日から新しく、年長組に配属されました!ファリス・京と言いまふ!自分は取り立てて、できる事が無いのが取り柄です!で、ですので諜報部門を希望します!ふ、ふつつか者ですが、皆さんの輪の中に入れてやって下さい。よろしくお願いします!」 「まあ諜報部門なんて無いけどな。」 揶揄の声があがった。瞬く間に広がり波の様に押し寄せた。 「こんな女見たいな奴にMBの操縦ができんのか?」 「ねぇ、ボクぅ~おちんちんついてるぅ?」 「廃尿症候群だ!廃尿症候群!」 皆仕切りに囃し立てた。年長組の精鋭達はとても十代の少年のソレとは異なり、大人びた風貌をしていたので、あたり一面ぐるりと敵に囲まれたように錯覚してしまう程だった。 「すいませんでした。もう一年勉強してから出直してきます!ありがとうございます!」 「なんで留年する話になってんだよ…。」 ボソりとブリーフィングルームの正面右端から声があがった。人目を惹く白髪に、切れ長の瞳。座っているせいで分かりづらいが、座高が高く長身と分かるぐらいのハンサムな少年だった。 (カムリ。) 「ファリス。ここでは年長組に配属された以上、上も下も無いんだからな。必要以上に気を使う事はないよ。あんまり新人イジメんなよ?皆んなだってそういう規則だし始めは緊張する位多めに見てやれよ。」 カムリの知り合いなのか?こんな奴が?口々に周囲が笑い始めた。が、 「俺をナメんなよ?」 鋭い眼光で辺りを睨みつけた。その目つきの鋭さに皆萎縮してしまった。 (カムリがまた助けてくれた。) 幼い時からずっとそうだった。
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