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気がつくとおやっさんも号泣していた。
「…どこでその話を聞いたんだ?」
「知らないんだ。そういう夢を見たんだ。」
夢?怪訝に思い、ガイストは顔をしかめた。
「やっぱり、真実なんだね…。おやっさんには打ち明けるけど、本当に時々だけどそんな夢を見るんだ。一人で入る映画館の様に暗闇の中、断片的に様々なシーンが流れるんだ。それを眺めていただけなんだけど…。出鱈目で意味不明な事ばかりだけど何回か本当の事があって…。それで…。」
「真実だったのか。予知夢が視れるというのか?」
「うん…。子供の頃からそういう事ができるんだ。」
馬鹿な…と驚きを隠せないガイスト。が冷静に考えると
「現実に俺の素性を当てたしな。それは本当の力かも知れないぞ。一種の才能の様な物かも知れんなファリス。」
ガイストがスマイルを見せた。
「誰かに話した事はあるのか…?」
「誰かに言っても、誰にも信じて貰えなかったんだ。僕子供の頃から孤立していただろ?それも原因だったんだ…。」
俺は信じるぞ?と眉を持ち上げると
「でもそんな話は突飛で信じる奴が少ないかもな。」
これは真剣な話しだぞ。と前置きすると、
「ファリス。お前は心から信頼できる友達を作りなさい。そして信頼してもらいなさい。お前は本当に根が優しい子だから、学会の皆んなには理解されない面が多分にあるだろう。それでも、お前の良さは素直で優しい所なんだ。優しい奴は、皆んなから信頼される素養がある!と俺は信じている。だから、いつかきっとお前の力を分かってくれる奴ができるはずだ。」
「……。」
「その時が来るのを楽しみにしているぞファリス。」
「おやっさん。今日は酷い事言って責めてゴメンなさい…。」
いいって事よ!っと背中をバンバン叩かれた。
ファリスとの出来事を25回、回想した所で
「おっ、始まるか。」
両軍が激突した。
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