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「強過ぎやで…。」
15機でかかっていってもカムリ・栞のシルバーウルフは倒れなかった。逆に味方のMB全機、手脚を削ぎ落とされ、胴体のみを残して潰されてしまった。まだ手加減されていた。
「いつもはお山の大将気取って引っ込んで指図ばっかしてんのに、いざとなったらここまでやなんて。こりゃ~勝てんで。」
じゃが
「先生ー!先生ェーの出番やでー!」
僕の事まだ覚えてました…?ファリス・京のロンリネスウルフが満を辞して登場する。
「隠し玉ですか…?」
「そうや!これやで!」
青いウェアウルフェンが存在感を示していた。
「これは通称ロンリネスウルフ。一匹狼やな。以前おやっさんが乗ってた機体や。今は別の乗ってるけどな。おやっさん以来誰も乗り手がいなかった孤高のMBやで。装甲や攻撃力、出力の高さでウェアウルフェンはコボルデに圧倒的に勝つんや。じゃがウェアウルフェンはコボルデと比べてピーキーな事が弱点なんや。要は扱いが難しいって事。やからワイらは好き好んで使えないんやけど。これにあんさんが乗ればカムリ、シノギリスと同等の戦力があるっちゅーことや。これがワイの隠し球や。どうや、いけるか?嬢ちゃん。」
シルバーウルフがカツカツと一歩一歩大将の首を狩りに近づいてくる。
「アレはロンリネスウルフ…?何故おやっさんの機体が…?乗っているのは誰だ?」
まさかおやっさんまで敵に組したんではあるまいな!ふと中央部を注視したがおやっさんは官能小説 を読みふけっていた。なら誰だ。ロンリネスウルフを駆るには卓越した技能と経験、高い月食力が必須だ。年長組でウェアウルフェンを駆る事 ができるのは俺とシノギリス含めた女四天王のみ。このピーキーな機体を、他の誰が操縦しているのだろうか?久瀬もピンキーもアシュラも今日の組み合わせではいないのに…。
「!?」
ふとロンリネスウルフが動きだした。いきなり虚を突かれたが、ーーー面白い。カムリは身構えた 。どうやら突貫してくる様だ。
(芸がないな。まるで素人だ。何故無計画で突っ込んできた?破れかぶれか?)
突貫を回避してハイキックをかまそうと目論むカムリ。
(今だ…!)
敵のロンリネスウルフの快速を右に避け回避成功。そのまま右ハイキックを相手の頭部に見舞う。が…。
スカッと空を切る。捉えた筈なのに、まさか…。正面突破?
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