ファリスとカムリ

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初めてのブリーフィングが終わった。カゼナギ・フォルテと言う名の眼鏡をかけた、如何にも優等生そうな男から作戦説明を受けた。 「この度の戦闘ではキョウトエリア16の奪還を…。」 この戦闘で僕の出番は無し。次の実戦配備から見学。との話だった。話は殆ど頭に入っていないが、本当に良かった。今日いきなり戦闘をさせられるかもしれないと何度唾を飲んだことか!次の実践まで三日は休みだ。然も見学。その間までどうゴロゴロ過ごそうかな。とりあえず首が繋がった。その首もいつまで繋がるのかな?テキトーに。テキトーに作戦に参加して水の様に無害にやり過ごそう。僕なんかが戦争に介入したらいるだけで損害になってしまう。百害あって一利なし。空気の窓際こそ至高。 がんばろっと己に喝をいれているところポンポンと肩を叩かれたので、カツアゲかと思い、カムリに言いつけるぞ!と口上を考え、どうしようかと思ったが頭が悪いのか振り向いてしまった。 「ぐぇ。」 振り向きざまに頬に何かが突き刺さった。何?かと思いその正体を明かそうと目で頬に突き刺さる何かを注視した。 その正体は指だ。クラスメイトの一人が振り向きざまに頬に指を押し当てていた。 くひひ、と笑い声が漏れた。その光景を見たクラスの男女が思わずプッとなってしまっていた。 「酷いですよ~。」 と周囲に同情を引いた。正面には黄色い短髪に痩せた眼鏡をかけたお調子者の男の姿が見えた。 「自分ゴッツオモロイわ~。さっきの掴みの挨拶といい、今のリアクションといい、鈍臭いわ~。なんで君みたいな天然石がここにおるんよ。二人でこんなトコ辞めてしまって、コメディアンにでもならへんか?」 「コメディアンてなんですか?」 「ププ、なんですか?って知らない訳ないやろ~。あんさんの歳で頭悪すぎやわ~。ほんま腹立つな~。亀の頭の部分か?ワレの脳味噌。」 亀の頭ってどういう意味ですか?っと周囲に尋ねたが、皆何やらバツの悪そうな顔をしている。 「やっぱ自分、ワイとおんなじマインドを持つ数少ないタカ派やで。ワイの名前はケレン・カスマ。17や。よろしゅうなファリス・京。」 「よろしゅうお願いします!」 「変なのに絡まれてるな。」 「カムリ!」 ファリスは目の色を輝かせた。 「ケレン。ファリスは気に入ったか?」
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