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「女みたいなツラしとるしの。後でボコってパシリにしたろか思ったところや。」
「わはは。相変わらずくだらねー。」
「ワレこそ嬢ちゃんとどんな関係にあんねん。まさかぁ。しゃぶりか?しゃぶりあいか?二人仲良くシャブ中毒かー?」
「相変わらずメンドクセェなぁ。」
と三人で和んでいる所、
「誰がしゃぶりあいだ?」
凛としたハリのある高い声が三人の空気を切り裂いた。
「カムリ失望したぞ。女に鬱つを抜かさない貴様の最初の浮ついた相手が、そんなに可愛い男の子だなんて!クラスで一番優秀な貴様がそれでは二番目に優秀な私の立場はなんなんだ!ファリスとやらと永久的に乳繰りあっているのが良いか!が、その時あるのは貴様の敗北だぞ!ようやく一番の貴様が引きずり落ちる様をこの目で見る事ができる。その時、私はただ冷笑していてやる。男の子のせいで私に負けたと!男の子のせいで私に負けたと!男の子のせいで私に負けたと!」
肩まで伸ばした美しい紅い髪、スラリと伸びた長い足の女性がカムリに喰ってかかった。
「美人ですね。」
ファリスの素直な言葉に女性が赤くなった。
「尻がデカイけどな。」
ケレンが壁にくの字に折れ曲がりながら突出した。
女性はうんうん、と上機嫌になると、
「シノギリスだ!シノギリス・ハヤビキ。18歳だ。よろしく頼む。」
こちらこそとファリスも赤くなりながら返した。
ファリス、ケレン、シノギリスを見てカムリは久しく心から笑っていなかった事に気付いた。そして自らを軽蔑した。笑って遊べない子供達が何千万人といるというのに自分だけが生かされてのうのうと生きてる。この生命が尽きるまでこの腐った世を変える為だけに生きるとあの日に誓ったから。三人を見て、報われない子供達にも明日があってほしいと、表情に出さず、心から憂いた。
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