共和国歴■年3月5日

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「私(わたくし)と同様、ロンドさまの魔力に耐えられない物ですから気をつけて下さいって、言いましたよね…?」 「ああ。」 それは覚えている。 覚えてはいるがそれが、自分(親族含む)の片手全体で触っただけで割れる物体だという事を忘れていた。今日だって、嫁がそのまま置いていきそうだったから持って行こうとしただけだったのだ。嫁は後で取りに行くつもりだったかもしれないし、今日は不要だったのかもしれないが…あ、頭が痛い。 「それで、どうしたい。」 「学校は別荘から通います。」 嫁は本当に可愛い生き物だが、ああ見えて元はグンジンという兵士だ。 「暫く此方には帰りません。少しは反省して下さいっ。」 外面の強さと口の回り具合こそオレに劣るが、心の強さは強固一択。こうなったら梃でも動かない事は重々承知している。 「…分かった。」 だから先ず、承認の返事だけする。長たるもの、言い訳は見苦しい。 あとは親族が迷子捜索隊を結成しない様に言って、フルボッコにされる覚悟を決めておくだけだ。 「親族にはオレが伝えておく。」 「分かりました。それでは、失礼します。」 こうして嫁は通学と宿泊の準備をして、従者と共に王宮ベルベット東離宮を出て行った。 「…どうしよう嫁が可愛い…」 「ぜんっぜん反省してないじゃないですかー!!」 「それは今から考える、考え直す…だから、レコアを頼む。」 「言われなくても分かってますよ! それじゃあ行ってきまーす!!」
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