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「これで3個目の破損らしいが、前の分は残してあるか?」
「ええ勿論。」
「全部寄越せ、こうなったら作り直してやる。」
「御意。」
さて、錫や亜鉛が多いと助かるが、この合金の融点はセ氏何度だろう。
「あ、硝子拾ってこないと…」
「それも回収済みで御座います。」
「そ、そうか。」
オレは二代目ロンド=メイデンヘア。
今でこそ沙漠のおうこ…絶対共和国ロブリーズの中流貴族に組み込まれたが、元はルルス王朝に仕える“貴族武官”の長。
趣味は茶会(カフェトリンケン)、王朝の茶会で実際に紅茶を淹れるのはオレだ。
紅茶はダージリン派だが、最近はセンチャという新しいお茶の存在も知って氣になっている。甘味はザッハトルテが好きだが、この前食べた“軽いザッハトルテ”が一番好きだ。
嫁は、辛い菓子をお供にセイシュだのショーチューだのヒレザケだのの方が樽一つ空けるぐらい好きらしいが、紅茶は氣に入ってくれた。かわいい。
…ああ、そんな事は今はどうでも良いか?
「さて、始めるか。」
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