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(王国歴401年)帝国歴151年3月8日
定期連絡。
レコア=メイデンヘア、帝国名サルートのレコナイズ。報告致します。
「じゃあレコちゃん、いま採取管持ってないってこと!?」
「はい…」
「マジかー!!」
夫と喧嘩して3日後になりました。現在、友達――建前上は私の従者です――のクレアと共に王宮ベルベット東離宮を出て、貿易都市ハードルにあります別荘で暮らしています。
王立魔法学校は隣町なので、王国民には驚かれますが、徒歩で通っています。
帝国に置いてきた家族と友達、夫とその親族、学校…今年は色々ありました。今は、両親以外は全て良好です。
今はクレアと、此方で友達になりましたクリスタ、カゼーテル、ゼレイアとお話ししています。
「採取管は貸して頂けるそうですけど…今回はカスタマイズしてたんです。蛍石を付けたり、扉にお星様のシールを貼ったり…
でも、夫は余り気にしていない様で…今迄もショックだったんですけど、今回は流石に…」
「うわあ、ソレは酷いな。」
「やっとレコちゃんも道具のカスタマイズが出来る様になって、魔法使いとしての第一歩をついに踏み出したのに…」
「5回ぐらいビンタして良いと思うわよ?」
「なんなら僕の新しい魔法でも」
「あの、多分効かないと思います。カゼーテルさんの…エアフロア? でしたっけ、そよ風と仰ってました。」
「それエアーフローだけどぐっはあぁ!!」
「攻撃魔法レベル2でソレって…1年生の私達には辛いわね。」
学校には夫の親族――夫から見て弟のタント、従弟のギュンター、姪のエミリー――も通っていますが、夫と喧嘩して以来、遠巻きに見ているだけです。私はエミリーとはよく話しますが、彼女も、話す処か近寄りすらしません。
「どうしたんだろうね?」
「多分、夫から監視命令が有ったのだと思います。」
「そっか今喧嘩中だから…って監視?!」
「今の私は夫の目に触れる機会がありませんから…心配なのでしょう。」
既に御存知だとは思いますが、私の夫は、人間ではありません。
第一、こんな名乗り方をする人間は居ません…
《オレはロンド=メイデンヘア・セカンド。“組織の色”は紫、“個人の色”は黒紅の地色にシグナルレッドとシルバーピンク。ルルス王朝の貴族武官長なんだが、そんな事どうでも良いよな?》
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