甘い失恋

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ぴんと伸びた背筋、爽やかに切りそろえられた黒髪。 二年間、見ていた後ろ姿。 ……ああ、そうか。 明日からはこんなに憧れていたこの姿を、もう見られない。 「梅原課長」 「……」 「私は梅原課長が、……好き、でした」 「……」 梅原課長からの返事はない。 つい、口をついて出た言葉を後悔した。 こんなことを言わなければきっと、きれいな想い出で終われたのに。 チン、エレベーターが一階に到着し、扉が開く。 梅原課長が無言で私の荷物を持ったまま進んでいくから、私もそのあとを追う。 会社から出て、彼はタクシーを捕まえた。 「あの」 タクシーに乗り込み、なにか言わなきゃと口を開いたものの、なにを言っていいのかわからない。
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