3月13日

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エッチな本があっても驚かない。 部屋がトレーニングジムになっているぐらいはありそうだ。 Gが出るレベルで汚かったら、逃げよう。 女性を連れ込んでいたら、喧嘩して追い出す。 お姑さんがいたら、愛想良くして気に入られておく。 よし作戦はバッチリだ。 「何ですかこれ?」 センパイの家について、ドアを開けて、目に飛び込んできた物は完全に予想外だった。 「引っ越しは◯通」と書かれた段ボールが積んであった。 「札幌へ異動の内示があった」 また北海道か。 北海道人にはそこいらのジンギスカンでも食わせとけ。 いつ内示出たの? どうしていってくれないの? センパイにとって私はただの同僚でしかないの? 私の気持ちは? センパイの気持ちは? そんな疑問が頭の中を嵐のように駆け巡った。 「どうして言ってくれなかったんですか」 やっと捕まえることが出来た言葉をなんとか口にする。 「心配かけたくなかったから」 そんな答えが返ってきて、さすがにキレた。ふざけんじゃねぇぞ。 「くたばれ、チョコゴリラ!」 胸骨の真ん中目掛けて、肘鉄を叩き込む。どんなに鍛えていてもここに筋肉はつかない人体の弱点。 怯むセンパイを後ろから突き飛ばした。     
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