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コスプレするために格闘ゲームの動きをモノマネしていた過去がこんな形で実現するとは。
ただ布団の上でたじろいでいる先輩に弑逆心が芽生えたのは事実だ。
「センパイ、覚悟してもらいましょか」
「ちょ、ちょっと待て、落ち着け」
「問答無用」
私は文字通り襲いかかった。
数時間後。
私は布団の上でポッキーを咥えていた。私もセンパイもタバコを吸わないが、ここは心情的にタバコを吸う場面だろうと思う。
「センパイ、私、警察に出頭しますかね」
一通り済ませて落ち着いて見れば、自分はとんでもない事をしでかしてしまったという後悔でいっぱいだった。
「無期懲役だな」
センパイの声が冷たく響いた気がした。
ゴソゴソと枕元を探しているが、携帯だろうか。通報されるのか、怖くて振り向けなかった。
後ろからセンパイが抱きついてきた。拘束されるのかと思った。
その手には、女性なら絶対に間違えようのない小箱があった。
「これは、お前に」
「センパイ、それって」
「だから無期懲役言ったろ。どちらかが死ぬまで」
「センパイのバカ。私のもっとバカ~」
「あ、センパイ、今すぐ服着るっす」
「え、どういうこと」
「日付がかわってます。今日はホワイトデーです。今すぐ区役所に行くですよ。結婚届け出しましょう。プレゼントはそれでいいです」
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