2月10日

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2月10日

時間切れのアラームがなる。その音を消しながら私は言った。 「いえいえ、こっちの話しです。それより私は急用が出来ました。帰らないといけません。はいこれちょっと早いけどバレンタインのプレゼントです」 両手に抱えきれないほどのチョコを持っているセンパイに、些細なチョコをあげる。メッセージカードも入れておいた。 「あの、これ」 センパイは手に持っていた紙袋の一つを私の差し出した。今はちょっと甘いチョコは食べたくない。それが顔に出すぎていたのだろう。 「大丈夫、チョコじゃなくて日本酒だ。たまたま知り合いの人が展示販売していたから、今日のお礼に、な」 日本酒と聞けば断る理由は無い。私は受け取るとお礼もそこそこに逃げ帰った。 一人で盛り上がって、空回りして疲れ果てた。 こんな日は風呂でも入って晩酌するに限る。お酒はたった今手に入った。
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